昨今の中東情勢の影響で、国際線航空券が大きく値上がりしています。
例えば韓国系エアラインでは、仁川〜ニューヨーク往復の燃油サーチャージが約50万ウォン(約5万円)に上昇しました。3月の約15.7万ウォンから見ると、短期間で3万円以上の値上げです。
参照:「中東の緊張で航空燃料も急騰…サーチャージだけで仁川~ニューヨーク往復50万ウォン(中央日報日本語版:2026年3月17日)」
https://japanese.joins.com/JArticle/346256?
現在の航空券価格は、中東情勢に伴う燃料の高騰によって燃油サーチャージが上昇しているケースが頻発しています。
こうした状況の中で改めて注目されているのが、燃油サーチャージがかからない提携航空会社の特典航空券という選択肢です。
ANAマイルを
- シンガポール航空
- ベトナム航空
の特典航空券に交換した場合には燃油サーチャージは無料です。
最近ではSNSなどでもANAマイルを燃油サーチャージが発生するANAではなく、シンガポール航空・ベトナム航空の特典航空券に交換することを検討している人が増えています。
では、実際どの程度のコストで行けるのでしょうか。
今回は、長距離路線の中でも欧州路線の特典航空券に交換した場合のそれぞれ2社でどのくらいの費用がかかるか見ていきます。
シンガポール航空特典航空券|62,000マイル+約3万円で欧州往復
今回検証したシンガポール航空の特典航空券のルートは、羽田発シンガポール経由のパリ行きエコノミー往復です。

※2026年3月下旬時点。空席状況・諸経費等は変動しますので最新の情報はご自身でお確かめください
必要マイル数62,000マイル、支払い総額31,740円でした。
現在の欧州航空券価格を考えると、この水準はかなり安価です。
2026年10月の羽田発パリ行きの直行便の価格は、今このタイミング(2026年3月下旬時点)ではANAやJAL、エールフランスといずれの会社も往復・エコノミークラスで30万円前後でした。
ベトナム航空特典航空券|こちらも同じく62,000マイル前後で成立
もう一つの選択肢がベトナム航空です。
今回検証の検証のルートは、羽田発ハノイ経由のアムステルダム行きエコノミー往復です。

※2026年3月下旬時点。空席状況・諸経費等は変動しますので最新の情報はご自身でお確かめください
必要マイル数62,000マイル、支払い総額19,010円でした。
2026年10月の成田発アムステルダム行きの直行便の価格は、今このタイミング(2026年3月下旬時点)ではKLMの往復・エコノミークラスで25万円前後でした。
ANA特典航空券(ANA運航便)の場合はいくらかかる?
ANAはオランダ・アムステルダムへの直行便は無いので、羽田発パリ行きエコノミー往復で見ていきます。

※2026年3月下旬時点。空席状況・諸経費等は変動しますので最新の情報はご自身でお確かめください
必要マイル数55,000マイル、支払い総額87,100円でした。
しかも、現時点では空席待ちとなっています。
直行便を有償で購入するのと比べれば、ANA特典航空券は安いですが、燃油サーチャージ無料の2社にはかないません。
現時点で、日本発欧州・北米(ハワイ除く)方面行きの燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は往復で63,800 円です。
今後ANAで燃油サーチャージ引き上げとなれば、今後ますます2社の特典航空券に交換するという選択をされる方も増えるでしょう。
欧州行き特典航空券の強み|往復の都市を変えて複数国
欧州特典航空券の大きなメリットは、往路と復路で都市を変えることで欧州周遊など、複数国に行くことができます。
例えば、往路:羽田発ハノイ経由パリ行き、復路:フランクフルト発ハノイ経由羽田行きにすることで、フランスとドイツの2カ国に行けます。
パリからフランクフルトへは電車で4時間程度で、片道2万円前後です。
フランスから電車やバスで複数国巡って、最後にドイツ・フランクフルトから日本に帰るということもできます。
欧州は、国同士の距離が近く、一度の渡航で複数国を回る旅程が作りやすくなります。
デメリット① 発券の枠を探すのが難しい

いずれの2社の特典航空券を発券する場合には、ちょっと厄介な部分もあります。
例えば、羽田 → フランクフルトのように単純検索してもシンガポール経由、ハノイ経由、ホーチミン経由のルートは表示されません。
複数都市検索が前提になります。さらに、路線によっては毎日運航ではなく、曜日限定運航というケースもあります。
例えば、先ほど紹介したベトナム航空のハノイ-アムステルダムは毎週火・木・土曜日の週3往復です。
路線によって特典航空券の枠を探すのに、運航日も考慮する必要もあり、ちょっと探すのが大変になります。
デメリット② ビジネスクラスは基本的に狙えない
ここも重要な判断ポイントです。
シンガポール航空は、他社マイルによるビジネスクラス特典航空券の開放がほぼありません。
つまり現実的にはエコノミー前提になります。
一方ベトナム航空はゼロではありませんが、空いていたらラッキーというレベルです。
ベトナム航空のビジネスクラスに必要なANAマイル数は、
- 片道:約60,500マイル
- 往復:約121,000マイル
です。
マイルによるビジネスクラスアップグレードというもう一つの選択肢
ここで検討対象になるのが、エコノミー購入→ ビジネスクラスへアップグレードというルートです。
例えば、ANAの羽田発欧州方面行きのエコノミークラスの場合、
- 片道:約28,000マイル
- 往復:約56,000マイル
でアップグレード可能なケースもあります。
さらにこの方法ならANAのステータスポイント(プレミアムポイント)が貯まるという利点があります。
ただし現在は有償航空券そのものが高騰しています。
欧州方面の場合、金浦(ソウル)やシドニー発券なら羽田発欧州行きの有償航空券よりも安く、かつアップグレード可能な運賃クラスが出る場合もあります。
欧州に行くついでに修行も行いたい人は、海外発券とマイルによるアップグレードの方が恩恵が大きいかもしれません。
デメリット③ 複数人で行く場合はマイル負担が重い

特典航空券は人数が増えると難易度が変わります。
東京発欧州方面へANAマイルを提携航空会社の特典航空券に交換する場合、1人なら62,000マイル、2人:124,000マイル、3人:186,000マイルが必要です。
クレジットカードのキャンペーンや税金の支払いでマイルを多く確保している場合はさほど気にならないかもしれません。
しかし、家族旅行では現実的なハードルになります。
デメリット④ 欠航・ダイヤ変更リスク

前述の通り、中東情勢の影響により航空燃料の供給や価格は大きく変動しており、実際に運航便を減らす航空会社も出てきています。
ベトナム航空は燃料供給制約により一部路線の減便を発表しています。現時点では主に国内線が対象ですが、今後の情勢次第では国際線ネットワークにも影響が波及する可能性があります。
参照:「Vietnam Airlines plans domestic route cuts due to jet fuel shortage, regulator says(2026年3月24日:Reuters)」
https://www.reuters.com/world/asia-pacific/vietnam-airlines-plans-domestic-route-cuts-due-jet-fuel-shortage-regulator-says-2026-03-24/
なお現時点では、シンガポール航空について燃料不足を理由とした減便の報道は確認されていません。
一方でSNSでは関西空港発シンガポール行きの一部便の欠航事例も見られており、運航が通常時より不安定になっている可能性はあります。
現時点で過度に心配する必要はありませんが、中東情勢の影響で欠航になる可能性もゼロではないということは頭の片隅に置いておいた方がよさそうです。
まとめ|燃油サーチャージを避けたいなら有力な選択肢になる
現在のように燃油サーチャージが高騰している環境では、
- シンガポール航空
- ベトナム航空
の特典航空券は欧州渡航コストを抑える現実的な方法になります。
一方、
- 特典航空券の枠の検索難易度
- ビジネスクラスの確保は難しい
- 人数が増えれば大量のマイルが必要
という条件があります。
今後、あまり航空券が高騰しないことを願うばかりですが、第二第三の選択肢を持っておけば今後も気兼ねなく欧州方面に足を伸ばすことができます。
しかも、特典航空券の発券の仕方次第では1つの国だけでなく、欧州周遊と東南アジアへの立ち寄りも付けることができます。
各々にあった最適なプランをぜひとも模索いただければと思います。



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