ANAのステータス獲得は、プレミアムポイント(PP)を取り巻く環境の変化により、冬の時代に突入しています。
ここ最近の間に、ステータスを獲得するための搭乗とステータス制度に大きな変化がありました。
遡ること2025年に、2026年5月19日より国内線運賃の制度変更が発表されました。
これまで、75日前に購入すれば安くなるANA SUPER VALUE 75などの運賃が修行僧に愛用されてきました。
今回、ANA SUPER VALUE は廃止され、「シンプル」「スタンダード」「フレックス」にリニューアルされることになりました。
ANA SUPER VALUE 75によって羽田沖縄間を往復すれば、PP単価8円以下で修行ができました。
修行僧の間でもPP単価を抑えることができる重要な運賃でしたが、現在は利用できません。
さらに、2026年に入り、中東情勢によって燃油高騰、それに伴い航空券の価格が上昇しています。
2026年5月にANA・JALなど各社で相次いで燃油サーチャージが引き上げられました。
そして、追い打ちをかけるように2026年4月に突如、ANAのSFC制度が変更となることが発表されました。
2028年4月以降は、ANAラウンジの利用やスターアライアランスゴールドの適用には ANAカード・ANAPAYによる年間300万円以上の決済が必要となります。
ステータスを取るハードルも上がり、SFCを取得した後も維持・活用の現実が厳しくなっています。
そんな中で今回、焦点を当てるのが、2026年もANAのPP2倍キャンペーンが来るのかということについてです。

2025年には国際線PP2倍キャンペーンが実施された
ANAはかつてコロナ禍に、搭乗時に加算されるプレミアムポイント(PP)を2倍にするキャンペーンを実施しました。
キャンペーンによってPPを貯めやすくなり、SFCやダイヤモンドなどの各種ステータスを低コストで取得できました。
キャンペーンは2023年まで実施されましたが、2024年には大規模なPP2倍キャンペーンはなく、「もうANAはPP2倍をやらないのでは」と見ていた人も多かったはずです。
しかし2025年に、対象を絞った形でキャンペーンが戻ってきました。
対象搭乗期間は2025年10月1日から12月31日までで、対象路線は羽田・成田〜ロサンゼルス、羽田〜ニューヨーク、羽田〜ロンドン、羽田〜パリでした。
対象運賃は、マイル積算可能な国際線ビジネスクラス以上でした。
ここで重要なのは、2025年のキャンペーンが「国内線を含む全面的な大盤振る舞い」ではなく、対象路線・対象クラスを絞った国際線ビジネスクラス以上のキャンペーンだったことです。
コロナ禍で行われたような広範囲のPP2倍キャンペーンとは性質が違います。
ここに2026年を考えるヒントがあります。

2026年にPP2倍キャンペーンが来る可能性はある
結論から言うと、2026年にANAのPP2倍キャンペーンが実施される可能性はあります。
ただし、仮に実施されるとしても、コロナ禍のような国内線・国際線を広く対象にした大盤振る舞いではなく、2025年と同じように「特定の国際線」「ビジネスクラス以上」「対象路線限定」という形になる可能性が高いと見ています。
その理由は、ANAが今後の成長軸を国際線に置いているからです。
ANAグループの2026-2028年度中期経営戦略では、国際旅客事業の事業規模を1.3倍へ拡大する方針が示されています。
参考;「2026-2028年度 ANAグループ中期経営戦略を策定(ANAホールディング:2026年1月30日)
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202601/20260130-2.html
また、2029年以降は成田空港の拡張後に北米線・アジア線を増強し、成田便の事業規模1.7倍を目指すとされています。
つまりANAにとって、今後の主戦場は国際線です。
その中でも北米・欧州・アジアなど、単価が高いロイヤル顧客を囲い込みやすい路線は重要です。
PP2倍キャンペーンは、単に修行僧を喜ばせる戦略ではなく、国際線を継続的に利用する高単価顧客をANA側に囲い込むための戦略として使えるわけです。

燃油サーチャージ高騰で国際線需要はどう変わるか
2026年にPP2倍キャンペーンの可能性を考えるうえで、燃油サーチャージの上昇も無視できません。
2026年4月には、中東情勢に伴う燃油市況価格の高騰を受け、ANAとJALが国際線燃油サーチャージの引き上げを5月1日発券分からに前倒しすると報じられました。
燃油サーチャージが上がると、旅行者の行動は変わります。特にレジャー層は、海外旅行を国内旅行へ切り替えたり、渡航先を近距離に変更したり、そもそも予約を先送りする可能性があります。
2026年のゴールデンウィーク時点では、ANAもJALも国際線の予約数は前年よりも増加傾向でした。
この時期の旅行は中東情勢前に予約していた方も多かったことでしょう。
燃油高騰が予約数に影響を及ぼすのは、夏休みシーズンあたりから出ると見られています。
参考;「2026年ゴールデンウィーク、航空大手3社と主要LCC3社の予約が全社「前年超え」の理由【JAL・ANA】(Business Insider Japan:2026年4月29日)」
https://www.businessinsider.jp/article/2604-goldenweek2026-flight-reservation-airline
一方で、ANAにとって国際線は今後の成長軸です。
国際線需要を落としたくない局面で、対象路線・対象クラスを絞ったPP2倍キャンペーンを打つことは、十分に合理性があります。
特に、すでに夏休み前後の旅行を予約している人がいる一方で、これから秋以降の旅行を検討する層もいます。
2025年と同じく、下半期に向けてキャンペーンが出る可能性は見ておくべきです。
PP2倍キャンペーンが実施されない可能性もある理由
一方で、PP2倍キャンペーンが行われない理由も明確にあります。最大の理由は、上級会員が増えすぎていることです。
コロナ禍では、プレミアムポイント2倍キャンペーンによってSFCやダイヤモンドステータスを取得した人も多くいました。
もちろん当時は航空需要が落ち込んでいたため、ANAとしても需要を増やすことが先決でした。
しかしその結果、上級会員数が増え、ラウンジや優先搭乗、保安検査場などの混雑感につながっている面は否定できません。
実際、2026年4月に発表されたSFC制度変更は、まさに「サービスをより適切に提供していくため」の見直しとして説明されています。
ANAでは、年間決済額に基づく2つの区分を設定し、300万円以上のSFC PLUSではANAラウンジやスター アライアンス・ゴールドを利用できる一方、300万円未満のSFC LITEではANAラウンジは利用できないと案内されています。
この流れを見ると、ANAが再び上級会員を大量に増やすようなキャンペーンを積極的に行うとは考えにくいです。
つまり、もし2026年にPP2倍キャンペーンが実施されるとしても、対象を絞る可能性が高いということです。
2026年のPP2倍キャンペーンはどんな形になるか

私個人の予想としては、2026年内にPP2倍キャンペーンが来る可能性はあります。
ただし、来るとしてもかなり限定的な内容になると見ています。
最も可能性が高いのは、2025年と同じく「特定の国際線」「ビジネスクラス以上」「対象路線限定」の形です。
特に北米線や欧州線は運賃単価が高く、ビジネスクラスの利用者を囲い込む意味が大きい路線です。
一方で、国内線を広く対象にしたPP2倍キャンペーンの可能性は低いと見ています。
国内線は上級会員の混雑問題が見えやすく、特に幹線ではラウンジや優先搭乗での混雑も目立ちます。
SFC制度を見直している最中に、わざわざ国内線で一気に上級会員予備軍を増やすような施策は取りづらいでしょう。
海外発券向けのPP2倍キャンペーンもあり得る
もうひとつ可能性として見ておきたいのが、海外発旅程向けのキャンペーンです。
ANAは2026年4月、IHGホテルズ&リゾーツとの包括的ロイヤルティ提携を発表しました。
その中で、対象となる「海外発旅程のANA国際線(ANA便名かつANA運航便)」において、ANAマイルに加えてIHGワンリワーズポイントも獲得できるダブルディップを2026年10月以降順次提供予定としています。
ここで重要なのは、「日本発」ではなく「海外発旅程」が対象になっている点です。
これは海外顧客をANAに取り込む意図があると考えられます。
ANAが今後、国際線と訪日需要をさらに伸ばしたいのであれば、海外在住者や海外発券ユーザーを対象にしたPPキャンペーンを打つ可能性は十分にあります。
日本人修行層にとっても、ソウル発券やシドニー発券などの海外発券は引き続き重要な選択肢です。
もし海外発旅程を対象としたPP2倍キャンペーンが来れば、ANAのPPだけでなく、IHGのポイントやステータスマッチとの組み合わせまで含めた修行を設計することも可能になります。

まとめ|2026年のPP2倍キャンペーンは「来ても限定的」と見るべき
2026年のANAステータス修行は、これまで以上に難しくなっています。
国内線運賃体系の変化、燃油サーチャージの上昇、SFC制度変更によって、単純に飛べばよい時代ではなくなりつつあります。
一方で、ANAは2025年に国際線プレミアムポイント2倍キャンペーンを実施しました。
しかも対象は、北米・欧州の一部路線、ビジネスクラス以上という限定的な内容でした。
2026年に再びキャンペーンが行われるとしても、この流れを引き継ぐ可能性が高いと見ています。
2026年もまた不確実な状況が続いていますが、制度変更や世界情勢、航空券価格の変化を踏まえながら、その時々の状況に応じて修行プランを柔軟に組み立てていく必要がありそうです。










コメント