2026年4月22日、ANAとIHGが航空会社とホテルの垣根を越えた包括的ロイヤルティ・パートナーシップを発表しました。
これにより2026年10月以降、
- ANAステータス会員向けIHGステータスマッチ
- 海外発ANA国際線搭乗でIHGポイントも貯まる「ダブルディップ」
- ANAマイルとIHGポイントの相互交換
が順次開始予定です。
参照:「ANAとIHGホテルズ&リゾーツ、航空とホテルの垣根を越えた「包括的ロイヤルティ・パートナーシップ」を締結 ~旅の体験を、より豊かで特別なものへ~(ANA:2026年4月22日)」
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202604/20260422.html
これまでもANAとIHGは長年提携関係にあり、
- IHG宿泊でANAマイル積算
- ANAカード保有者のIHGホテル利用時の優待
- ANA株主優待による国内IHGホテルの割引
などの連携がありましたが、今回の発表はそれらを超えるインパクトのある内容でした。
今回の提携は、ANAユーザーにとって今後のホテル選択が変わる可能性のある重要な発表です。

① ANAステータスからIHGステータスマッチ|低コストでIHG上級会員へ
ステータスマッチの対応関係
ANAのステータスを保有していれば、IHG One Rewards(ワンリワーズ)のステータスが付与されます。
航空会社とホテルチェーンのステータスマッチは、出張・旅行頻度の高いロイヤル顧客を囲い込む代表的な施策です。
ANAステータス保有者向けのIHGステータスマッチは、過去にも2024年にキャンペーンとして実施されました。
今回発表されたステータスマッチの対応関係は以下の通りです。

※ANAダイヤモンド+MoreおよびANAダイヤモンドは、IHGダイヤモンドエリート/プラチナエリート獲得に最低2泊の宿泊実績が必要です。
さらに今回のステータスマッチでは、IHGエリート資格取得に必要な宿泊数(Elite Qualifying Nights)が付与されます。
付与される宿泊数は以下の通りです。
- ANAダイヤモンド+More:68泊分
- ANAダイヤモンド:38泊分
- ANAプラチナ:20泊分
- ANAブロンズ:10泊分
これにより、ANAダイヤモンド+More会員であればIHGホテルに2泊するだけでIHGダイヤモンドエリートに到達可能です。
Milestone Rewardsへの影響は?
一方で、IHGでは従来の制度として、一定の宿泊数を達成するとマイルストーン特典(Milestone Rewards)が受け取れる制度があります。
特典は20泊から100泊まで、10泊ごとに獲得できます。
| 20泊達成 | 5,000ボーナスポイント お食事・お飲み物(F&B)の特典2つ 確定可能スイートアップグレード1室 の中から1つ選択 |
| 40泊達成 | 10,000ボーナスポイント お食事・お飲み物(F&B)の特典5つ 確定可能スイートアップグレード1室 ラウンジ年間メンバーシップ の中から2つ選択 |
特に、ラウンジ会員を目当てに毎年40泊IHG修行される方もいます。
今回のステータスマッチによる宿泊実績の付与によって、Milestone Rewardsも貰えるかどうかについては、今回の発表で言及はありませんでした。
今後の続報に期待です。
IHGダイヤモンドエリートを低コストで取得

IHGダイヤモンドエリートでは、
- 客室アップグレード
- アーリーチェックイン
- レイトチェックアウト
- 朝食を選択可能なウェルカムアメニティ
などの特典があります。
通常は年間70泊または120,000ポイント(エリートステータス対象ポイント)が必要な最上位ステータスです。
今回のANAとのステータスマッチにより、条件を満たせば極めて低コストで到達可能になります。
例えば国内では、大阪のGarnerブランドのホテルなどでは1泊6,000円〜7000円前後で宿泊できる日もあり、2泊の条件は比較的容易に達成できます。

ステータスマッチ後のステータス有効期限は未発表
今回の発表では、ANAのステータスマッチ経由で取得したIHGステータスの有効期限については言及がありませんでした。
2024年のキャンペーンの際には、IHGステータスの有効期間は2025年12月31日までとされていました。
また、ステータスマッチ制度自体が今回の1回限りか、それとも今後も何度でも利用できるかも現時点では発表がありませんでした。
制度詳細について今後の追加発表が待たれます。
② 海外発ANA搭乗でIHGポイントも貯まる|ダブルディップの仕組み
対象は海外発ANA国際線のみ
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対象となるのは、海外発旅程のANA国際線(ANA便名かつANA運航便)です。
対象フライトでは、従来のANAマイル積算に加えてIHGワンリワーズポイントも同時に獲得可能(ダブルディップ)になります。
ここで重要なのは、対象が日本発ではなく海外発の旅程である点です。
つまり制度設計としては、海外顧客向け施策と考えられます。
海外から日本へ渡航する利用者に対して、ANAのフライトの利用とIHGホテルの宿泊の両方を選択してもらう狙いがあると推測されます。
日本人には関係ない制度なのか?
結論から言うと、修行界隈にはむしろ相性が良い制度です。
理由はシンプルです。海外発券との相性が非常に良いからです。
例えば:
- ソウル発券(金浦発券)
- シドニー発券
などの海外発券ルートを活用すれば、ANAのステータス獲得に必要なPPを効率良く貯めながら、IHGポイントも同時獲得可能になります。
ANAステータス修行とIHGステータス獲得が同時に進む
今回の制度によって下記の図のような流れができます。

一般的な日本国内発の旅行では恩恵は限定的ですが、海外発券を活用するユーザーにとっては
- ANAプレミアムポイント
- ANAマイル
- IHGポイント
- IHGステータス
を同時に積み上げることができます。
ただし、今回の制度は2026年10月以降から開始とのことなので、その頃には2027年度に向けたANAの修行を終えてしまっている人も出てくるかと思います。
そのため2026年内に行う海外発券を活用した修行では、もしかしたらあまり恩恵を受けられないかもしれません。
2027年以降も同様の制度が続くのであれば、その際に活かしていきたいところです。
③ ANAマイルとIHGポイントが相互交換可能に
ANAマイルの使い道が広がる

これまではIHGポイントからANAマイルへの交換のみ可能でした。
レートは10,000ポイント=2,000マイルです。
今回の提携でANAマイルからIHGポイントも可能になります。
現時点では、交換レートについて公表はありませんでした。
ANAマイルを特典航空券に交換して移動手段を確保するだけでなく、IHGポイントに交換してポイントでホテルの予約することも今後可能になります。
ANA×IHGがもたらす今後の変化
今回のANAとIHGの包括提携は、単なるステータスマッチにとどまらず、日本人のホテル戦略そのものに影響する可能性があります。
ここでは今後想定される変化を整理します。
①日本人のホテル戦略が変わる可能性

これまで日本では外資系ホテルチェーンの中でもマリオットやヒルトンが主流でした。
理由は、
- Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード
- ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード
など、アメックスとの提携カードの特典が非常に強力だったためです。
年間数百万円規模のカード決済によって
- 上級会員ステータス
- 無料宿泊特典
をホテル修行をしなくても、取得することができました。
しかし近年は
- カード年会費の値上げ
- 上級会員数の増加
- 国内ホテルでの特典の体感の低下
といった変化が起きています。
そのタイミングで今回、ANA×IHGの包括提携が発表されました。
今後はANAユーザーを中心に、IHGを選択するケースが増えていく可能性があります。
②逆方向のステータスマッチはあるか?

今回の発表では、ANAステータス→IHGステータスのステータスマッチが導入されました。
一方で将来的には、IHGステータス→ANAステータスという逆方向のステータスマッチが実施される可能性もゼロではありません。
特に海外顧客の獲得という意味では合理的な施策です。
現在ANAは、国内線で収益を上げる戦略から国際線中心の成長戦略へとシフトしています。
そのため、
海外のIHGロイヤルティ会員
↓
ANA上級会員化
↓
国際線利用促進
という施策を実施する可能性は十分考えられます。
ANA上級会員数の増加を懸念する声もありますが、海外市場拡大という観点では合理的な一手になり得ます。
海外の航空会社では、ホテルチェーンとのステータスマッチが積極的に行われており、例えばユナイテッド航空ではマリオットのチタン・アンバサダーでユナイテッドのプレミアシルバーにステータスマッチできます。
ANAも海外ユーザーの囲い込みにホテルチェーンとのステータスマッチを活用していくかどうか注目です。
③ SFCは対象外?日頃からANAのフライト・サービスを利用する人を優遇する流れが強まる可能性
今回の発表では、IHGとのステータスマッチ対象としてANAスーパーフライヤーズ会員(SFC)への言及はありませんでした。
対象はブロンズ以上となっています。
さらにIHGダイヤモンドエリートへのステータスマッチの条件は、ANAダイヤモンド+Moreのみが対象となっています。
ANAダイヤモンドではIHGプラチナエリートまでです。
つまり今回の制度設計から、日頃からANA便への搭乗やANAのサービスを多く利用する人をより重視していく方向性があると推測できます。
なおSFC会員の取り扱いについては、今後追加発表が行われる可能性もあるため続報に注目したいところです。
まとめ|ANAユーザーのホテル戦略が大きく変わる可能性
今回のANAとIHGの包括提携により、ANAステータス保有者にとってはIHG利用時のメリットが大きく拡張される可能性があります。
特に
- IHGステータスマッチ
- 海外発ANA搭乗でのIHGポイント獲得(ダブルディップ)
- ANAマイルとIHGポイントの相互交換
によって、ANA修行でIHGで多くの恩恵を受けることができます。
一方で今回の提携を、ANAが海外顧客の囲い込みにどう活用するのか、IHGがマリオットやヒルトンから日本人顧客をどこまで引き寄せられるのかという点にも注目が集まります。
また今回の発表では、SFC会員のステータスマッチについては言及がありませんでした。
対象範囲の拡大があるのかどうかも含め、今後の追加発表に注目したいところです。
参照:「ANAとIHGホテルズ&リゾーツ、航空とホテルの垣根を越えた「包括的ロイヤルティ・パートナーシップ」を締結 ~旅の体験を、より豊かで特別なものへ~(ANA:2026年4月22日)」
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202604/20260422.html











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