2025年も残りわずかとなったタイミングでJALグループ傘下のLCCのZIPAIRから2026年夏ダイヤより成田-マニラ(ニノイ・アキノ国際空港)線を運休する発表がありました。
※参考
「成田=マニラ線の運休について(ZIPAIR:2025年12月26日)」
https://www.zipair.net/ja/notification/364
ZIPAIR(ジップエア)はJAL傘下の格安航空会社(LCC)であり、中長距離国際線を担うLCCとして拡大してきました。
路線としては、韓国・ソウルやタイ・バンコクといったアジア圏からアメリカのロサンゼルスやサンフランシスコなど北米圏まで設けています。
なぜこのタイミングでマニラ路線を運休を決断したのか、その動きの背景と今後のZIPAIRの戦略を見ていきます。
東京-マニラ路線はなぜ“激戦区”なのか
東京からフィリピンの首都であるマニラまでは、ZIPAIRをはじめ複数社が路線を開設しています。
| 東京(羽田・成田)-マニラ路線の就航会社 | |
|---|---|
| FSC(フルサービスキャリア) | フィリピン航空、JAL、ANA |
| LCC(ローコストキャリア) | ZIPAIR、エアアジア、セブパシフィック、ジェットスター |
中でも、フィリピン航空は羽田と成田で1日2本ずつ飛ばしています。日系の両社はいずれも羽田と成田で1日1本ずつです。ビジネスと観光のどちらの需要もあるため路線のため複数社が参入しています。
マニラ周辺では日系企業も旺盛に進出しているので、その関係者の利用があります。
また、フィリピン人も日本に出稼ぎに行くケースもあれば、観光で来られる方もいます。訪日外国人の統計では、2024年に日本に訪れたフィリピン人の数は約80万人です。2023年は約60万人であったので上昇傾向にあります。
こういう背景もあって複数のエアラインが東京とマニラに路線を設けています。
JALグループはマニラ路線を縮小しているのか
JAL本体の減便とZIPAIRへの役割移行
フィリピン人の訪日も増え、かつコンスタントにビジネスでの利用を見込める中、JAL本体ではフィリピン・マニラでの展開を縮小しています。
2023年の7月1日よりJALでは成田-マニラ路線を1日2本から1本に減便しています。当時はJALで運休する代わりに、ZIPAIRで新たに2023年7月1日成田-マニラ路線をスタートしました。
サクララウンジ閉鎖が示すマニラ戦略の変化
しかし、今回の2026年夏ダイヤよりZIPAIRが運休することによりJALグループとして運航する成田-マニラ路線が減ることになります。
『じゃあ将来的にJAL本体で路線が復活するのでは?』という見方もできるかもしれませんが、JALは2025年末でマニラのサクララウンジを閉鎖することを2025年11月に発表しています。
※参考
「ニノイ・アキノ国際空港のJALサクララウンジの閉鎖に伴うラウンジサービスの変更について(JAL:2025年11月17日)」
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2025/inter/251117
ニノイ・アキノ国際空港のターミナル再編工事により閉鎖と出ていますが、実際はマニラ路線よりも他の路線にリソースを投下したいという意図があるためにJALとZIPAIRで減便し、ラウンジを閉鎖した可能性があります。
また、マニラではニノイ・アキノ国際空港とは別に、新マニラ国際空港(ブラカン国際空港)の建設が進められています。ブラカン国際空港は以前にANAの新路線予想に関する記事でも取り上げました。

JALグループとして、将来的にはニノイ・アキノ国際空港よりも新しくできるブラカン国際空港に力を入れていきたいという思惑もあるかもしれません。
ZIPAIRはなぜ東南アジアより北米路線を選ぶのか
LCCがひしめく東南アジア市場の現実
日本から東南アジア各地を結ぶLCCではジェットスター、エアアジア、Peachなどの各社が展開しています。また、ベトナムではベトジェットエア、フィリピンではセブパシフィックの存在が大きいです。
ZIPAIRとしては競合が既に飛ばしている路線に入っていくのではなく、未だどこの会社も飛ばしていない路線で収益を上げていくという考えがあると見られます。
北米・ハワイに集中するZIPAIRのブルーオーシャン戦略
現に、ZIPAIRは日本では唯一北米方面にLCCとして路線を設けています。今、大谷翔平などで激アツなロサンゼルスをはじめ、サンフランシスコ、ハワイ、カナダのバンクーバーなどの北米路線を多く設けています。
そして、2026年2月3月には、アメリカフロリダ州のオーランドへのチャーター便の運航が決定しています。
フロリダといえば、世界最大級のディズニーテーマパーク、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートがあり、今回のチャーター便の企画とのコラボが決まっています。
ディズニー以外でもマイアミといったリゾート地があるため、観光需要が見込めるでしょう。
ライバルと価格やサービスで戦うのではなく、ブルーオーシャンの市場で勝負していくというのがZIPAIRの戦い方です。
まとめ|成田-マニラ運休は撤退ではなく戦略転換
今回は、JALグループ傘下のLCCのZIPAIRの成田-マニラ路線の運休を見ていきました。
一見すると路線を運休するということはネガティブに見えるかもしれませんが、今回の動きはライバルLCCの動きを踏まえて戦略を変えたと推測されます。
2026年3月にはライバルであるANA傘下のAirJapanが運航終了するなど、日本国内でのLCC市場も今後も大きな変化はありそうです。
個人的には、FSCだけでなくLCCが発展していけば若い人も海外各地に行きやすくなると思うので、ZIPAIRにはさらなる路線開拓を期待しています。
参考資料
https://www.zipair.net/ja/notification/364
日本政府観光局(JNTO)出典;
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/_files/20250820_1615-6.pdf
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2025/inter/251117
https://www.zipair.net/ja/notification/349



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